ミタメガ健康研究所

”健・美・豊”を追求し、実践している健美法スペシャリストである管理人自らの体験をもとに、ダイエット、アンチエイジングなどに関する正しい健康情報をお伝えしていきます。

食事制限によるダイエットの問題点②「サルコペニア肥満」

前回は、食事制限によるダイエットの問題点として「摂食障害」について書きました。
今回は、もうひとつの大きな問題点である「サルコペニア肥満」についてお伝えします。


【人類の歴史の99.9%は飢餓状態だった!】

ヒト(人類)の祖先が、チンパンジー・ボノボの祖先と分化したのは600万年前~700万年前くらいと言われています。以来、人類は長い飢餓との戦いの中で生きてきました。
好きな時にほぼ好きなだけ食べられるようになったのは、日本においてはこの50年くらいのことです。

地球上に人類が誕生してから現在までを24時間とすると、人類が飢餓の危機に瀕していた時間は、実に23時間59分59秒!現在のように金さえ払えばいくらでも好きなものが食べられるという時代は、たったの1秒にしか過ぎません!

そのため、ヒトには飢餓に備える遺伝子を持っており、「筋肉を増やしたくない」けど「脂肪は増やしたい」という性質があります。
筋肉は存在しているだけでエネルギーを消費するのに対して、脂肪を蓄えることは、生存に必要なエネルギーを蓄えることだからです。いつ食べ物にありつけるかわからない時代を生きてきた人類にとって、生き抜くために脂肪を蓄えることは必須のことなのです。

 

【食事制限を続けていると筋肉が減少!】

食事制限を長期間続けていくと、エネルギー消費を減らすめに必ず筋肉が減少します。そして筋力がどんどん衰えていきます。これが進行していくと「サルコペニア」という状態になります。「サルコペニア」とは、筋肉の量が減少し、機能が低下した状態のこと。筋肉量が一定以下まで低下すると、日常生活の動作が制限されるようになり、寝たきりや転倒骨折などを起こすリスクが非常に高まります。

 

【食事制限の後、普通食に戻したときが危険!】

さて、食事制限して筋肉量が減った「サルコペニア」状態になった人が、普通の食事に戻すとどうなるでしょうか?

飢餓遺伝子の働きで省エネモードになったカラダは、食べ物が手に入らないというトラウマがあるわけですから、食べたものをできる限り脂肪として蓄えようとしていきます。そして筋肉だった部分にも脂肪が入り込んでいきます。これが「サルコペニア肥満」というとても危険な状態なんです。


サルコペニア肥満になるとヤバイ!】

なぜ、サルコペニア肥満が危険なのでしょうか?

それは、”メタボよりも生活習慣病のリスクが高い”からなんです。

サルコペニア肥満は筋肉が減少し、脂肪が増加するため、全体として体重や体型が変わらない場合があるため、そうなっていることにとても気づきにくい状態にあります。そのため、発見が遅れがちで、気づいた時には生活習慣病がかなり進行してしまっていることが多いのです。

筑波大学の久野譜也教授によると、サルコペニア肥満だと、男性なら1.7倍、女性なら2.2倍の確率で高血圧になり、寝たきりになる確率は、男性で3.0倍、女性ではなんと5.9倍にもなるそうです。

このようにあまり運動をせず、食事制限だけのダイエットを実行することは、筋肉量の減少を招き、サルコペニア肥満体質を作ってしまう可能性が非常に高くなってしまいます。


多くの人は、ただ体重を減らすことだけを目標に、自己流ダイエットを簡単に始めてしまいますが、間違えたダイエット方法には、結果としてこのような危険な状態になることがあることを知っておかないと、取り返しのつかないことになります。


では、安全なダイエット、老化が進まないダイエットはどうすればいいのでしょうか?

それは、次回ということで・・・

食事制限によるダイエットの問題点①「摂食障害」

 

ダイエットしようとした場合、誰もが真っ先に思いつくのが、食事制限による方法ではないでしょうか?

実際、どのアンケート調査でも、実施したダイエット法として、食事制限を行ったことがある人が一番多いようです。食事制限にジョギングやウォーキング、スポーツジムなどの運動を組み合わせる場合も多いですね。あなたもきっとやってみたことがあるのではないですか?

前回、「急激なダイエット、長期間のダイエットは老化を早める」「特に食事制限によるダイエットには問題点が多い」と指摘させていただきました。でも、ちゃんと結果も出るじゃない!?との意見もあると思います。

そこで今回は、この食事制限によるダイエットの問題点について書いてみたいと思います。


食事制限ダイエットは、どんどん筋肉量が低下して、基礎代謝が落ち、結局リバウンドして失敗するという問題点がよく言われます。しかし、もっと深刻なのは、体調を悪くしたり、老化が進行したりすることです。

食事制限によるダイエット法としては、ファスティング(断食)や一日一食などの少食法、そしてマクロビオテックやローフードなど食べるものを制限する方法があります。これらの食事制限法によるダイエットは、開始直後は空腹を感じるなど、辛い思いをしますが、それもすぐに慣れて、間もなく以下のような体調の良さを実感する人が多いです。

・吹き出物がなくなる
・アレルギーが解消する
・肌が美しくなる
・風邪をひきにくくなる
・疲れなくなる
・便秘が解消する
・頭痛、生理痛などの痛みがなくなる
・朝すっきり目覚められる

 

どうして、このように体調が良くなったように感じるのかというと、栄養不足のために、これまで体内に蓄えられていた脂肪や古い細胞、老廃物を分解して、栄養素に変え、それを利用して新しい細胞に作り替えるという代謝が起きるからです。

実は同時に、脂肪の分解によりその中に混ざりこんでいた脂溶性の有害物質もどんどん排出されています。水分以外は何日もほとんど食べないようなファスティングの場合は、脂肪分解が急激に起こり、中の有害物質が大量に血中に流れて、頭痛などの体調不良を起こすことがありますが、その他の食事制限法によるダイエットでは、ダイエットを始めてしばらくは、適度なデトックス効果、消化器への負担軽減などにより、体調が良くなっていくことを実感する場合が多いのです。特に、ダイエット前に太り過ぎで体調が悪かった人ほど、その効果を感じやすいです。


そして、始めて数ヶ月もすると、体調が絶好調になります。そのため、「なんて素晴らしい!これこそが、人間を健康にしてくれる最高の食事法なんだ!」と感激して、そのままの食事制限を続けようとしてしまいます。

しかし、その頃には、カラダの中に栄養素に再利用できる古い細胞や老廃物が枯渇し始め、ダイエットを始める前とは、まったく別の体質に変化しています。ということは、そのままの食事法を続けていると、栄養不足からだんだん新陳代謝がうまく行かなくなり、体調不良が生じてきます。

(代表的な症状)
貧血、生理不順、無月経、肌が荒れる、肌の黒ずみ、吹き出物、やせすぎ、炎症を起こしやすい、風邪をひきやすい、骨折など


それでも、初期の頃の体調の良さ(=成功体験)から、体調不良は別の原因だと信じ込んでしまい、普通の食事に戻すことを思いつきません。

こうして食事制限を長期間続けていくと、体調不良や老化現象がますます進み、ついにはやっと食事制限が原因だと気づく時がきます。でももうこの時点では、長期の食事制限により消化機能が衰えて、普通の食事は胃もたれがして食べられなくなっている場合が多いのです。

中にはその食事制限法に極端に洗脳されてしまい、普通のものを食べることに罪悪感を覚え、拒食症など摂食障害になって、非常に危険な状態になる方もいます。拒食症は物を食べようとしても食べられなくなってしまう病気で、その結果、約20%の人が死亡してしまうといわれるほど恐ろしい病気なのです。

摂食障害にまでならなくて、なんとか普通食に戻れた場合でも、まだ問題点があるのです。


次回に続く・・・

ジョギングダイエットで13kgの減量に成功も、カラダにトラブルが次々発生。(後編)

ジョギングが日課となり、1年で13kgのジョギングダイエットに成功。やがて距離やタイムも伸びて、ジョギングというよりランニングに近い状態になっていきました。そして、走ることで気分が高揚するランナーズハイになり、走れない日があると苦痛を感じるまでになっていったのです。


【あれ?右ひざに痛みが】

しかし、走る距離と速度がアップしたことで、ひざへの負担が増えていきました。走り始めて1年が経った頃、時々右ひざに違和感(=ピリッと軽い痛み)を感じるようになったのです。でも、ジョギング中は痛みを感じなかったので、一時的なものだろうと思い、あまり気にすることなく、相変わらず毎日走り続けていました。


それから2ヶ月程経った頃、右ひざの痛みが大きくなり、とうとう走ることができなくなってしまったのです。近くの総合病院で診てもらったら、有痛性分裂膝蓋骨(ゆうつうせいぶんれつしつがいこつ)といって、なんと!ひざのお皿が2つに分裂していました。分裂の原因は先天的なものもあるそうですが、ジョギングによってひざへの負荷が長期に加わり、骨に分裂がある弱い右ひざに痛みが出てきたとのことでした。

最近はランニングがブームになっていますが、私のようにひざに問題がなくても、走りすぎによってひざの痛みを覚える人は、実はたくさんいます。腰を痛める人も多くいます。ジョギングダイエットをする場合は、ひざ痛や腰痛には、絶対気を付けないといけないのです。

私の場合、走るのをやめてもなかなかひざの痛みは取れず、階段の昇降は手すりをつかまないとできない状態が、その後半年間も続いてしまいました。


【目がかすむ】

それから、なぜか時々目がかすんだり、ぼやけたりする症状がでました。はじめは目の疲労かと思っていましたが、実は栄養不足の影響だったのです。走ることでビタミンやミネラルを大量に消費するため、それを補う食事をする必要があったのですが、この時はとにかく痩せることだけを考えていたので、食事は結構いい加減でした。

当時はまだサプリメントが一般的ではなかったので、野菜や果物を含め、栄養バランスを考えてしっかりと食事を摂らなければいけなかったのに、
つい手軽さでインスタント食品やジャンクフードなど栄養に偏りがあるものをしょっちゅう食べていたことも問題でした。


【肌がかさかさに】

肌がかさかさになりました。もちろんこれも栄養不足のせいです。


冷え性

冬場は手足に冷えを感じるようになりました。右ひざは特に冷えるので、唐辛子入り湿布薬を貼って、さらにその上からサポーターで冷えないようにしていました。使い捨てカイロも手放せませんでした。


【しわや白髪が増えた】

ダイエット後からしばらく経った頃、しわや白髪が急に増えました。急激なダイエットは老化を早める原因となることを実感しました。


【体毛が薄くなった】

ひげの伸び方が遅くなり、すね毛が薄くなりました。


【急激なダイエット、長期間のダイエットは老化を早めてしまう!】

このようなカラダの変調が出ても、当時の私は、右ひざの痛み以外はダイエットの影響だとは考えもしませんでした。30代も後半になり、中年域にさしかかったための加齢現象だと気楽に考えていたのです。

そのため、ひざの痛みによりジョギングはできなくなったので、ウォーキングに切り替えはしたものの、食事は少食を心がけ、緩やかなダイエットをその後何年も続けていました。とにかく運動をして、太らなければ健康なんだと安易に考えていたのです。

でも結果的にこのダイエットが、老化を早めて、実は不健康になっていたことに気づいたのは、40代後半になって、生理学、栄養学を本格的に学び、本当に栄養バランスのよい食生活を実践してからです。

 

【ダイエットが老化を早める理由】

なぜ、ダイエットが老化を早めることになるのかわかりますか?

それは、栄養不足(カロリー不足ではありません)になるからです。栄養不足になると、カラダの構成要素である細胞の新陳代謝やコラーゲン、ホルモンなどの生成がうまくいかなくなります。

例えば、コラーゲンはたんぱく質の一種で、カラダの皮膚や筋肉・内臓・骨・関節・目・髪等あらゆる全身の組織に含まれており、それらの細胞をつなぎとめる働きをしています。このコラーゲンの生成がうまくいかなくなると、肌のハリ、つやが失われ、しわが増えたりします。コラーゲンは骨にも含まれているので、骨が脆くなったりします。コラーゲン生成は40代から急激に衰えるので、40代以上でのダイエットは老化が特に進みやすいのです。

ホルモンも同じです。例えば性ホルモン(テストステロン、エストロゲン)の分泌は40代から急速に低下します。その上にダイエットなどで栄養不足になると、さらに分泌量が減って、男性は体毛が薄くなったり、EDを発症したりします。女性の場合は更年期障害が早く出てくるようになります。

また運動のし過ぎは、体内で活性酸素を過剰に増やし、細胞レベルでも酸化や老化を引き起こす原因になるのです。

このように、急激なダイエット、長期間のダイエットは老化を進行させてしまいます!


多くの人は体重が減ればダイエット成功だと思っています。メタボから脱却できて、健康になったと信じています。でも体内では密かに、そして確実に老化が進行しています。それが40、50代という年齢と重なると、自然な老化現象だと勘違いして、受け入れてしまうのです。そしてさらに、リバウンドしないようにと、更なるダイエットを継続してしまいます。

特にファスティング(断食)や一日1食といった少食法、マクロビ、ローフードなどの食事制限によるダイエットを長期間続けることは、とても危険です。
生理がなくなったり、摂食障害になってしまう事例がたくさんあります。スリムになっても、カラダの内部がガタガタ、美しさも失ってしまうのです。


次回は食事制限によるダイエットの問題点について、さらに書いてみたいと思います。